ETAP-1 その3
リエゾンは指定された時間で走り、ETAP-1の指定は11時間。自分は朝の8時9分に出発したので、19時9分~19時10分の1分間だけがペナルティを受けずに済むオンタイムなんです。
なので、オンタイム5分前にビバークにつくと、ゴールの前で自分の前に出発したライダー達がオンタイムになるのを待っていました(このあと何回かリエゾンがありますが、これからあとはオンタイムは厳密に守らず、早着は許してくれて、指定タイムの前でもビバークに入れてくれていました。もちろん遅れればペナルティがつきます)。そこにはもちろん小栗さんの姿もあり、「おお、よく間に合ったなぁ! 立派、立派」って褒めていただきました
まあ、その「よく間に合った」については、あの鬼ショートカットルートを走ってしまった自分とシンヨさんにしか、その厳しさはわからないですけど、とにかく間に合ってよかった(^_^;)
しかーし、ここで衝撃の事実。ビバークに荷物が届いてません!(10kgバッグも20kgバッグも)
途中で雨が降りだしたんですけど、自分はカッパを持っていなかったんですよ。荷物がバックパックに目一杯だったってのもあるし、カッパが小さくて(自分が太って(^^ゞ)、カッパを着るためにはネックブレースやらなんやら防具類を外してジャケットの下に着ないと着れない… という面倒くささがあって重視していなかったんです。
それに走っているときは寒いとはいえ、「ビバークに着いたら乾いた服に着替えればいいや」って軽く考えていたんです。事前に「荷物が届かないことがある。重要なものは10kgバッグに入れて」って聞いていたので、1日分の着替えは10kgバッグに入れてましたけど、ヘリで運ぶはずの10kgバッグまで届かないとはorz
これがビバークでの寝床、ゲルです。後ろのほうで自分が電話をかけていますね。衛星電話でアキバ店と家に無事の報告をしています (`・ω・´)ゞ
到着時、「まだ、どのゲルに誰が入るのか、割り振りがわかりません」ってスタッフに言われたそうですが(どうやら主催者の中枢部が到着しておらず、指揮系統がなかったので、現場スタッフもどうしたらいいか混乱していたようです)、そんなこと言ってられません。参加者で勝手に入りました。ゲルのお金は払ってるしね ┐(´ー`)┌
ゲルの中はこんなです。下は地面なので、本当はここにスリーピングマットをひいて寝るんですけど、そのマットは荷物のなかですから、当然届いていません。本当は、雨で濡れているから、土の地面に荷物を置いたり、直接、座ったりはしたくないんだけど、どうしようもないわけで…
こうしてなんとかゲルは確保したんですけど、さらにメシもない… 「冷えた体を温めるためになにか食べなくちゃ」って思って、ゴール後、19:30頃、本部テントに行くと「これから夕食を準備します」とのこと。テント内で二人のスタッフが夕食の準備を始めましたが、そのとき、じゃがいもの皮を剥きはじめ、お湯を沸かし始めたんです…
参加者・メカ・スタッフなど含め100人ぐらいはいるでしょうか。その食事の準備、「いまじゃがいもの皮を剥いているなら、あと2~3時間はかかるだろうな。晩飯は23時ぐらいか 」って食事をすることすら諦めモード。携行した食料のランチパックはすでに食べつくし、口にできるものはなにもありません。
※サバイバルキットに食料2000キロカロリーはあるんですが、「毎日出発時に2000キロカロリーの食料を持たなければならない」っていうレギュレーションなので、このキットを食べてしまうと食料を2000キロカロリー分まで追加しなければなりません。でも、そこらに食料を買う店はありません… だから、このサバイバルキットは本当に遭難したときぐらいしか手を付けられないんです。
このビバークは標高約1400mで気温は10℃ほど、全身パンツまでずぶ濡れ、食料はなし。餓えと寒さってこんなに辛いとは…
だんだん体の冷えが厳しくなってきて、濡れた服を上半身だけ脱いで、エマージェンシーシートに包まりました。
誰かに「エマージェンシーシートを広げるとうまくたためないよ」って言われたんですけど、「いまがエマージェンシーです (´д`)」ってことでとにかく少しでも体を温めたかったんです。また、マットがないので地べたに横になるとさらに体温を奪われます。なので、疲れてましたけど、座ってうずくまっていました。
このあたりから、意識レベルが下がっているのが自分でも分かりました(低体温症ってやつですね)。寝ていたわけではないんですけど、まわりでみんながいろいろ話をしていることが頭に入ってこず、なにか自分に話しかけられてもあまり返事が出来ません。
もちろん辛い思いをしているのは自分だけではありません。バイクの参加者はカッパを着ていてもそれなりに濡れるので、みんな寒くて辛いのですが、ガタガタ震えて怪しくなってきている自分を見かねて、同じゲルの仲間が本部スタッフから寝袋を借りてきてくれて、乾いているシャツを1枚貸してくれました <(_ _*)> アリガトォ
そうして体を暖めているうちに、元気が戻って来ました。夜、たぶん22時ごろ、ノビさんが到着。そして、23時ごろようやく晩飯が出来たようです。ノビさんがメシを運んできてくれて人心地つきました。
晩飯が出来た時もまだ荷物は届いていなかったので、水のペットボトルを切って食器にしてます。ちなみに、この記事の写真はすべてシンヨさんの写真。自分は写真を撮る余裕すらありませんでした。
晩飯を食べ終わったぐらい、たぶん日付が変わる頃(時間も確認していませんでした)、ようやく荷物を積んだトラックが到着。乾いた下着を着て、マットを引いて、寝袋に入って、横になることができたんです。
なので、オンタイム5分前にビバークにつくと、ゴールの前で自分の前に出発したライダー達がオンタイムになるのを待っていました(このあと何回かリエゾンがありますが、これからあとはオンタイムは厳密に守らず、早着は許してくれて、指定タイムの前でもビバークに入れてくれていました。もちろん遅れればペナルティがつきます)。そこにはもちろん小栗さんの姿もあり、「おお、よく間に合ったなぁ! 立派、立派」って褒めていただきました
まあ、その「よく間に合った」については、あの鬼ショートカットルートを走ってしまった自分とシンヨさんにしか、その厳しさはわからないですけど、とにかく間に合ってよかった(^_^;)
しかーし、ここで衝撃の事実。ビバークに荷物が届いてません!(10kgバッグも20kgバッグも)
途中で雨が降りだしたんですけど、自分はカッパを持っていなかったんですよ。荷物がバックパックに目一杯だったってのもあるし、カッパが小さくて(自分が太って(^^ゞ)、カッパを着るためにはネックブレースやらなんやら防具類を外してジャケットの下に着ないと着れない… という面倒くささがあって重視していなかったんです。
それに走っているときは寒いとはいえ、「ビバークに着いたら乾いた服に着替えればいいや」って軽く考えていたんです。事前に「荷物が届かないことがある。重要なものは10kgバッグに入れて」って聞いていたので、1日分の着替えは10kgバッグに入れてましたけど、ヘリで運ぶはずの10kgバッグまで届かないとはorz
これがビバークでの寝床、ゲルです。後ろのほうで自分が電話をかけていますね。衛星電話でアキバ店と家に無事の報告をしています (`・ω・´)ゞ
到着時、「まだ、どのゲルに誰が入るのか、割り振りがわかりません」ってスタッフに言われたそうですが(どうやら主催者の中枢部が到着しておらず、指揮系統がなかったので、現場スタッフもどうしたらいいか混乱していたようです)、そんなこと言ってられません。参加者で勝手に入りました。ゲルのお金は払ってるしね ┐(´ー`)┌
ゲルの中はこんなです。下は地面なので、本当はここにスリーピングマットをひいて寝るんですけど、そのマットは荷物のなかですから、当然届いていません。本当は、雨で濡れているから、土の地面に荷物を置いたり、直接、座ったりはしたくないんだけど、どうしようもないわけで…
こうしてなんとかゲルは確保したんですけど、さらにメシもない… 「冷えた体を温めるためになにか食べなくちゃ」って思って、ゴール後、19:30頃、本部テントに行くと「これから夕食を準備します」とのこと。テント内で二人のスタッフが夕食の準備を始めましたが、そのとき、じゃがいもの皮を剥きはじめ、お湯を沸かし始めたんです…
参加者・メカ・スタッフなど含め100人ぐらいはいるでしょうか。その食事の準備、「いまじゃがいもの皮を剥いているなら、あと2~3時間はかかるだろうな。晩飯は23時ぐらいか 」って食事をすることすら諦めモード。携行した食料のランチパックはすでに食べつくし、口にできるものはなにもありません。
※サバイバルキットに食料2000キロカロリーはあるんですが、「毎日出発時に2000キロカロリーの食料を持たなければならない」っていうレギュレーションなので、このキットを食べてしまうと食料を2000キロカロリー分まで追加しなければなりません。でも、そこらに食料を買う店はありません… だから、このサバイバルキットは本当に遭難したときぐらいしか手を付けられないんです。
このビバークは標高約1400mで気温は10℃ほど、全身パンツまでずぶ濡れ、食料はなし。餓えと寒さってこんなに辛いとは…
だんだん体の冷えが厳しくなってきて、濡れた服を上半身だけ脱いで、エマージェンシーシートに包まりました。
誰かに「エマージェンシーシートを広げるとうまくたためないよ」って言われたんですけど、「いまがエマージェンシーです (´д`)」ってことでとにかく少しでも体を温めたかったんです。また、マットがないので地べたに横になるとさらに体温を奪われます。なので、疲れてましたけど、座ってうずくまっていました。
このあたりから、意識レベルが下がっているのが自分でも分かりました(低体温症ってやつですね)。寝ていたわけではないんですけど、まわりでみんながいろいろ話をしていることが頭に入ってこず、なにか自分に話しかけられてもあまり返事が出来ません。
もちろん辛い思いをしているのは自分だけではありません。バイクの参加者はカッパを着ていてもそれなりに濡れるので、みんな寒くて辛いのですが、ガタガタ震えて怪しくなってきている自分を見かねて、同じゲルの仲間が本部スタッフから寝袋を借りてきてくれて、乾いているシャツを1枚貸してくれました <(_ _*)> アリガトォ
そうして体を暖めているうちに、元気が戻って来ました。夜、たぶん22時ごろ、ノビさんが到着。そして、23時ごろようやく晩飯が出来たようです。ノビさんがメシを運んできてくれて人心地つきました。
晩飯が出来た時もまだ荷物は届いていなかったので、水のペットボトルを切って食器にしてます。ちなみに、この記事の写真はすべてシンヨさんの写真。自分は写真を撮る余裕すらありませんでした。
晩飯を食べ終わったぐらい、たぶん日付が変わる頃(時間も確認していませんでした)、ようやく荷物を積んだトラックが到着。乾いた下着を着て、マットを引いて、寝袋に入って、横になることができたんです。
初日は辛かった。いろんな意味で…
この記事へのコメント
無事サバイバルされて何よりです。
字面通り、生命をかけたサバイバルゲームでした σ(^_^;)
サポートのトラック着かないのはわかるんですがヘリも着いてないこともあるんですね。悪天候かなんかで飛べなかったんですかね?
ゴールしても油断できないですね^^;
ご購読あざーっす! 実はこの10kg/20kgバッグの話はまだ続く… 本当のオチはETAP-4の朝に分かるんです ( ̄▽ ̄;)
ラリー中、毎日、いろんな出来事がありすぎて、なかなか連載が進みませんが、お楽しみに ノシ