調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:後編)
Gnnsmithバトン基本調整内容レポート、MODIFY-TECH MOD24 流速SPの後編をお届けいたします。(前編はこちら、中編はこちら)
こちらはチャンバー部分を構成するパーツと、アルミ製インナーバレルに取り付けられる専用設計のチャンバーパッキンです。ピストンはマルゼン製のAPS-2にならった設計になっていましたが、チャンバーはマルイ製VSRシリーズの構造を踏襲しているようですね。
インナーバレルは、BATON airsoft 流速ルーズバレル6.10R VSR/WE用の430mmに交換するのですが、これがまた一筋縄では行かず、MODIFY-TECH製MOD24に組み込むための、いくつかの加工が必要となります。
MOD24はインナーバレルの末端付近に刻まれた、チャンバーと固定するための溝の規格が、マルイともWE社とも異なっているため、新たに彫らなければなりません。ピンボケ画像で申し訳ありませんが、正確に計った溝の位置を流速ルーズバレル6.10Rに刻みつけます。マジックで塗っているのは、ケガいた筋がよく見えるようにするための工夫です。
流速ルーズバレル6.10Rに固定用の溝を彫る作業は、フライス盤で行います。画像は、バイス(固定用工具)に挟んだバレルがきちんと水平に固定されるよう、ダイヤルゲージを使って慎重に位置決めをしている様子です。
しっかり固定した流速ルーズバレル6.10Rに、細いエンドミルで固定用の溝を彫りました。溝の位置だけでなく、幅も異なっていることがわかりますね。当然左右両側に必要ですので、位置決めの工程から繰り返して、正確な作業を行っています。
上記の作業でチャンバーとの固定は可能となりましたが、画像の通りもともと入っていたアルミ製インナーバレルは、430mmの流速ルーズバレル6.10Rよりも長く作られているため、このままではアウターバレルの中で遊んでしまう形になってしまいます。
この問題を解決するため、まずは流速ルーズバレル6.10Rの先端部分を、ひと皮剥くように一段細く削ります。
次に、外径9mmの真鍮パイプを、あらかじめ決められた長さでカットしました。このパイプを何に使うのかと言いますと・・・
先に削った流速ルーズバレル6.10Rの先端にかぶせることで、もともとのインナーバレルと長さを揃えたのですね。こうするために必要な寸法をあらかじめ計って、計算通りの加工を施していたわけです。
ただ上記の作業によって、インナーバレル先端の外径が9mmになってしまったため、マズル中央の穴に通すことが出来ません。MODIFY-TECH製のMOD24は、この部分でインナーバレルの先端を固定しているので、このままではマズルを締め込むことが不可能です。
これを解決するためマズル中央の穴を、9mmパイプがぴったり入るサイズに旋盤加工で拡大しました。
マズル部分の加工によって、アルミの地肌がむき出しになってしまったので、アルミニウムブラックで黒染めしています。銃口部分にチラチラと銀色が見えたのでは白けてしまいますからね。
バレルの加工が終了したところで、次はチャンバーの調整です。画像は、ホップレバーをチャンバーブロックにセットした様子ですが、ホップレバーの軸穴に対して軸が細過ぎるのがおわかりいただけるでしょうか。これでは適正なホップ調整が出来ませんので、この部分にスペーサーをかませて、ホップレバーのガタつきを解消しました。
インナーバレルとチャンバーパッキンを組み付ける際、画像のようにシールテープを巻いて気密をとっています。チャンバーパッキンについては上述した通り専用設計で、互換性のある社外パーツが無いため、そのまま使用しています。
こちらのパーツは、チャンバーブロックに沿って前後にスライドすることで、ホップレバーにテンションを与えるホップアジャスターです。マルイ製VSRシリーズにならった構造なのですが、スライド時の動きがちょっとスムーズ過ぎるので、画像に赤く塗った面をわずかに削っています。この加工により、ホップ調整時の動作に節度を持たせているわけですね。
ここまでの作業を経て、MODIFY-TECH製MOD24の調整と、流速SPとしてのチューニングが完了しました。すべてのパーツを組み付けた直後の初速チェックの結果は、0.25gのBB弾使用時で82m/s前後(0.84J)と、弊社の規定に沿った数値に仕上がっています。
上述の初速チェックは、ストックに取り付けていない、レシーバー単体で行ったものですが、ここでストックに組み付け、チューナー私物の実銃用スコープを載せた弾道チェックを行います。
今回は流速SPのスナイパーライフルということで、いつものような弾道チェックだけでなく、トリガートーク様の40mインドアレンジに備え付けの実銃用ライフルレストを使用して、単発での命中精度をテストしました。今回もその様子を撮影しましたので、下の動画を是非ご覧くださいませ。
いつもと違って、弾道が見えにくい動画になってしまいましたが、発射されたBB弾がコンマ数秒の後、40m先のフライパンにヒットしている音が確認出来ると思います。しかもこのテストは0.28gのBB弾を使っていながらも、まだ充分にホップ調整の余地を残した状態での、この飛距離と命中精度です。
ノーマルチューンでは0.28gを40m直線で飛ばすだけのホップ回転をかけることは出来ず、ドロップ弾道になります(ノーマルで0.28gなどの重量弾が上がらないときに、ホップを強くしようと調整を強くすると、ホップパッキンの凸部が過剰に突出し抵抗が大きくなってしまい初速が落ち、バレル内での滞在時間が長くなり抵抗が増えるのでかえってホップ回転は減衰し、飛距離は落ちてしまいます)。※詳細な流速チューン理論解説はこちらの『流速チューンとは?』、『BATON流速チューン理論』にて
0.28gをここまで飛ばせるのは流速チューンならではなのです。
機械加工を駆使しての調整やパーツの新造等、ふんだんに手間をかけて製作されたMODIFY-TECH MOD24 流速SP。自衛隊コスでサバゲを楽しまれている方にとっては、見逃せない狙撃銃ではないでしょうか? もちろん、それ以外のスナイパーの皆様にも、自信を持ってお薦め出来る1挺です!!
【調整済み・保証付】MODIFY-TECH MOD24 流速SP
こちらはチャンバー部分を構成するパーツと、アルミ製インナーバレルに取り付けられる専用設計のチャンバーパッキンです。ピストンはマルゼン製のAPS-2にならった設計になっていましたが、チャンバーはマルイ製VSRシリーズの構造を踏襲しているようですね。
インナーバレルは、BATON airsoft 流速ルーズバレル6.10R VSR/WE用の430mmに交換するのですが、これがまた一筋縄では行かず、MODIFY-TECH製MOD24に組み込むための、いくつかの加工が必要となります。
MOD24はインナーバレルの末端付近に刻まれた、チャンバーと固定するための溝の規格が、マルイともWE社とも異なっているため、新たに彫らなければなりません。ピンボケ画像で申し訳ありませんが、正確に計った溝の位置を流速ルーズバレル6.10Rに刻みつけます。マジックで塗っているのは、ケガいた筋がよく見えるようにするための工夫です。
流速ルーズバレル6.10Rに固定用の溝を彫る作業は、フライス盤で行います。画像は、バイス(固定用工具)に挟んだバレルがきちんと水平に固定されるよう、ダイヤルゲージを使って慎重に位置決めをしている様子です。
しっかり固定した流速ルーズバレル6.10Rに、細いエンドミルで固定用の溝を彫りました。溝の位置だけでなく、幅も異なっていることがわかりますね。当然左右両側に必要ですので、位置決めの工程から繰り返して、正確な作業を行っています。
上記の作業でチャンバーとの固定は可能となりましたが、画像の通りもともと入っていたアルミ製インナーバレルは、430mmの流速ルーズバレル6.10Rよりも長く作られているため、このままではアウターバレルの中で遊んでしまう形になってしまいます。
この問題を解決するため、まずは流速ルーズバレル6.10Rの先端部分を、ひと皮剥くように一段細く削ります。
次に、外径9mmの真鍮パイプを、あらかじめ決められた長さでカットしました。このパイプを何に使うのかと言いますと・・・
先に削った流速ルーズバレル6.10Rの先端にかぶせることで、もともとのインナーバレルと長さを揃えたのですね。こうするために必要な寸法をあらかじめ計って、計算通りの加工を施していたわけです。
ただ上記の作業によって、インナーバレル先端の外径が9mmになってしまったため、マズル中央の穴に通すことが出来ません。MODIFY-TECH製のMOD24は、この部分でインナーバレルの先端を固定しているので、このままではマズルを締め込むことが不可能です。
これを解決するためマズル中央の穴を、9mmパイプがぴったり入るサイズに旋盤加工で拡大しました。
マズル部分の加工によって、アルミの地肌がむき出しになってしまったので、アルミニウムブラックで黒染めしています。銃口部分にチラチラと銀色が見えたのでは白けてしまいますからね。
バレルの加工が終了したところで、次はチャンバーの調整です。画像は、ホップレバーをチャンバーブロックにセットした様子ですが、ホップレバーの軸穴に対して軸が細過ぎるのがおわかりいただけるでしょうか。これでは適正なホップ調整が出来ませんので、この部分にスペーサーをかませて、ホップレバーのガタつきを解消しました。
インナーバレルとチャンバーパッキンを組み付ける際、画像のようにシールテープを巻いて気密をとっています。チャンバーパッキンについては上述した通り専用設計で、互換性のある社外パーツが無いため、そのまま使用しています。
こちらのパーツは、チャンバーブロックに沿って前後にスライドすることで、ホップレバーにテンションを与えるホップアジャスターです。マルイ製VSRシリーズにならった構造なのですが、スライド時の動きがちょっとスムーズ過ぎるので、画像に赤く塗った面をわずかに削っています。この加工により、ホップ調整時の動作に節度を持たせているわけですね。
ここまでの作業を経て、MODIFY-TECH製MOD24の調整と、流速SPとしてのチューニングが完了しました。すべてのパーツを組み付けた直後の初速チェックの結果は、0.25gのBB弾使用時で82m/s前後(0.84J)と、弊社の規定に沿った数値に仕上がっています。
上述の初速チェックは、ストックに取り付けていない、レシーバー単体で行ったものですが、ここでストックに組み付け、チューナー私物の実銃用スコープを載せた弾道チェックを行います。
今回は流速SPのスナイパーライフルということで、いつものような弾道チェックだけでなく、トリガートーク様の40mインドアレンジに備え付けの実銃用ライフルレストを使用して、単発での命中精度をテストしました。今回もその様子を撮影しましたので、下の動画を是非ご覧くださいませ。
いつもと違って、弾道が見えにくい動画になってしまいましたが、発射されたBB弾がコンマ数秒の後、40m先のフライパンにヒットしている音が確認出来ると思います。しかもこのテストは0.28gのBB弾を使っていながらも、まだ充分にホップ調整の余地を残した状態での、この飛距離と命中精度です。
ノーマルチューンでは0.28gを40m直線で飛ばすだけのホップ回転をかけることは出来ず、ドロップ弾道になります(ノーマルで0.28gなどの重量弾が上がらないときに、ホップを強くしようと調整を強くすると、ホップパッキンの凸部が過剰に突出し抵抗が大きくなってしまい初速が落ち、バレル内での滞在時間が長くなり抵抗が増えるのでかえってホップ回転は減衰し、飛距離は落ちてしまいます)。※詳細な流速チューン理論解説はこちらの『流速チューンとは?』、『BATON流速チューン理論』にて
0.28gをここまで飛ばせるのは流速チューンならではなのです。
機械加工を駆使しての調整やパーツの新造等、ふんだんに手間をかけて製作されたMODIFY-TECH MOD24 流速SP。自衛隊コスでサバゲを楽しまれている方にとっては、見逃せない狙撃銃ではないでしょうか? もちろん、それ以外のスナイパーの皆様にも、自信を持ってお薦め出来る1挺です!!
【調整済み・保証付】MODIFY-TECH MOD24 流速SP