[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について

BATON's blog 読者の皆様おはようございます。バトン八王子店店長のデイヴ金子でございます。

ようやく梅雨が明けたと思った途端の台風で、ちょっと腰砕けになりましたが、いよいよ本格的な夏がやって来ますね~。

私デイヴ金子は昨年の夏、ある仕事で炎天下に3時間ほど立っていたところ、全身の筋肉が攣り出してびっくりしたのですが、それって、けっこう重度の熱中症だったそうで、二度びっくりでした。

まあ、年齢のせいも多分にあるとは思いますが(汗)、今年も暑くなりそうですから、皆様くれぐれもご注意くださいね。


さて、弊社では毎日、メールやお電話にて様々なお問い合わせにお答えしているのですが、
「持ち込みの場合、どんな調整をしてもらえるのか」
というご質問を、ここ数日で立て続けに頂戴しました。

そこでこの機会に、弊社にて行っている基本的な調整&チューンの作業内容を、軽くご紹介してみたいと思います。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について

弊社のチューナー陣は、既に「万」を超える数のエアガンを分解調整しておりますので、作動音を聞いただけで、不調の原因が概ねわかってしまいますが、お預かりしたエアガンがどんな状態であろうとも、まずはメカボックスを開きます。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について

どこの、とは書きませんが、上の画像は、いわゆる本中華メーカーのメカボックスの中身です。
お馴染みの金属粉入り中華グリスが、べっとりとこびりついていますし、軸受が外れてしまっているのも困った状態ですね~。
こ数年、海外メーカーの製品も随分クオリティが上がって来ていますが、個々のパーツの精度が高くても、適切に組み立てられていなければ、宝の持ち腐れなんですよね。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について
[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について

上とは違うメカボですが、こうした粗悪なグリスや金属粉を、強力パーツクリーナーとブラシで徹底的に洗い流します。
ちなみに弊社では、強力なパーツクリーナーを一斗缶で購入しております。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について

行程をだいぶ端折りましたが、当然のごとく徹底洗浄したギヤ類を、シム調整によって、適切な位置にセットします。

上の画像は、ギヤを組み付けたメカボックスの、モーターが挿さる部分を下から覗いたものですが、画像左下にちらっと覗いているスパーギヤが、ベベルギヤと半分程度しか噛み合っていないのがおわかりいただけるでしょうか。
これではモーターの駆動力がしっかり伝達されないばかりか、ギヤの寿命も縮めてしまいます。


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これを解消するため、適切な厚みのシムを軸の部分に入れて、ギヤ同士がしっかりと噛合し、また、メカボックス内でスムースに回るようにするのが、一般的に シム調整 と呼ばれるチューニングなのです。


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シム調整が決まったら、各ギヤの歯の一枚一枚まで、筆を使って良質なグリスを丁寧に塗布します。
こうしたグリスも、使用する場所によって異なる性質のグリスを適宜使い分けています。


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シム調整とグリスの塗布が終わって、メカボックスに組み付けられたギヤたちです。
グリスがかなり控え目に塗布されているのがおわかりいただけるでしょうか。
スムースな動作のために、グリスは必須アイテムですが、やたらと塗りたくれば良いわけではなく、必要な箇所に必要なだけの量を塗ることが重要なのです。


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適切に組み付けられたギヤは、画像のように手できっかけを作ってやると、ひところ流行ったハンドスピナーのように、くるくると音もなく回転を続けます。
ギヤ周りについては、ここまでの作業を漏れなく行っております。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について
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こちらはピストンのラックギヤを切削している様子とその結果ですが、このピストンはラックギヤが15枚歯になっていたため、いわゆるピスクラ(ピストンクラッシュ)が発生しないように、この加工を行っています。

何故この1枚を削ることでピスクラが回避出来るのかについては、また別の機会にご説明いたしますね。


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ピストンの話しついでに、これは特殊な例なのですが、元々入っているピストンが使い物にならず、社外品の流用も利かなかった製品では、社外製ピストンをフライス盤で加工して使いました。


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この電動ガンの場合は、ご覧のようにピストンの側面を削って、スパーギヤとの干渉を避けたわけです。
こういったきめの細かい作業も、必要に応じて行っております。


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こちらの長大なインナーバレルは、Real Sword製ドラグノフSVDの物ですが、これではシリンダー容量に対してバレルが長すぎるため、適切な長さにカットしています。
全長の長い電動ガンの場合、得てしてこのパターンが多いんですよね。


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もちろんカットするといっても、ノコギリで切るわけではありません。旋盤加工でカットした後、マズル部分になる切断面を丁寧に仕上げています。


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こちら、切断加工後のインナーバレルです。上の画像と比べて、どれくらいカットしたのかがおわかりいただけるでしょうか。


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製品によっては、インナーバレルをカットすることで、アウターバレル内でのガタつきが発生します。
そうした場合は、ABS樹脂の丸棒を旋盤加工して、バレルスペーサーを作り起こしています。


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こちらの画像は、カットして短くなったインナーバレルに、削り出しのバレルスペーサーをはめ込んだ様子です。
インナーバレルの切断面をきれいに仕上げているのもおわかりいただけると思います。


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ICS製M1ガーランドの場合、上記のスペーサーを2箇所取り付けることで、バレルのガタつきを完全に抑えています。
集弾性を向上させるために、こうした地味な作業を積み重ねているのですね。


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集弾性といえば、インナーバレル末端のいわゆるホップ窓の形状も、弾の飛び方に大きく影響する部分です。
画像は、某本中華電動ガンのインナーバレルを写したものですが、この歪み様では、まともな弾道など望めないでしょう。


[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について
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こういった歪みはリューターで丁寧に削り、形状を修正しています。
最近では随分少なくなりましたが、2019年の今でもこういった製品が流通しているので、油断は出来ないのです。


と、持ち込み調整&チューンで行っている作業のごく一部をご紹介してみましたが、これらはあくまで基本調整に過ぎません。
ベテランチューナー陣がこれまで積み重ねて来たノウハウを持って、個別に発生するイレギュラーな問題と向き合い、解消し、お客様にご満足いただける成果をご提供しているのです。

尚、当ブログの過去記事に、これまで行って来た代表的な調整&チューンの詳しいレポートがありますので、興味をお持ちの方は、「調整内容レポート」をキーワードに、ブログ内検索してみてくださいませ。

最後になりますが、ブログ記事で書いていないような細かいセッティングについては、企業秘密に属する部分ですので、メールやお電話でのご質問にお答え出来ませんことをご了承くださいませ。

上述の過去記事で、かなり突っ込んだところまで書いちゃってますけどね(汗)






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