Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

当ブログをご覧の皆様ならご存知のことと思いますが、
弊社で販売するすべての中華電動ガンは、「ちゃんと動いてちゃんと飛ぶ」
ようにするための調整&チューンを施し、「3ヶ月間無償修理」をお付けしています。

その内容については、弊社ネットショップこちらのページにて
詳しくご紹介しているのですが、具体的にどんな作業を行っているかは、
今までご紹介したことがありませんでした。

そこで、弊社チューナー陣がお客様にご提供する電動ガンに対し、
どのような調整&チューンを施しているかをご覧いただくために、
不肖私、デイヴ金子が実際の作業を取材して参りました。

これから毎週、異なる製品の調整作業の内容をレポートして行く予定ですので、
何卒お付き合いのほどをよろしくお願いいたしますです。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

1発目の今回はMYTH ZB26の調整&チューンの内容をご紹介いたします。
上の画像は、レシーバーから取り出した手付かずのメカボックスを開いた状態です。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

メカボックスの内側には、得体のしれない緑色の粘液が塗られていましたが、
担当のチューナーによれば、かなり控え目な個体とのことで、もっと大量に
べっとりと塗りつけられている製品の方が多いそうです。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

スパーギヤには茶色のグリスが塗られています。
メカボとギヤでグリスを変えているのにはちょっと感心しましたが・・・

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

セクターギヤの方は、両方のグリスが混じり合ってぐっちょぐちょの状態です。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

これらの油分を、強力ブレーキクリーナーを大量に吹きつけて落とします。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

古歯ブラシも併用して、メカボの隅々まで油分を取り除きます。
「ちょっとでも残ってると嫌なんだよね」とは担当チューナーの弁。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

上記の作業により、得体のしれない油分、いわば中華グリスが
きれいさっぱり除去されました。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)
Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

スパーギヤとセクターギヤもご覧のとおりきれいに洗浄されましたが、
この際、ギヤの歯に欠けや歪みが無いかも同時に目視確認しているそうです。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

中華グリスの洗浄が終わったところで、まずはピニオンとベベルを調整します。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

小型のグリースガンで、ベベルにギヤグリスを塗布します。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

ギヤの歯にグリスが行き渡る様、小ぶりな筆でまんべんなく塗りつけます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

上のベベルギヤとモーターを組みつけ、メカボックスを閉じた状態で
ベベルギヤを工具の先端で触り、ピニオンとのバックラッシュを確認します。
バックラッシュとは、ギヤ同士の隙間のことなのですが、これを最適化する
極めて微妙な調整は、チューニングの経験無くしては不可能と言えるでしょう。

事実、私デイヴも触らせてもらったのですが、微細な隙間は感じられるものの、
それが正しいのか、大きすぎるのかについては、まったく判断出来ませんでした。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

ベベルとピニオンのセッティングが決まったら、スパーギヤの取り付けです。
先の作業と同様、すべての歯に丁寧にグリスを塗りつけます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

セクターギヤも同様にグリスアップして組み付けますが、
ピストンのラックギヤと噛み合う歯にはギヤグリスを塗っていませんね。
この理由については後述いたします。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

作業の様子を端折りましたが、メカボを閉じてモーターを回し、
ギヤがスムーズに動くまでシム調整を繰り返します。
0.1mm単位のシム調整で、素人が聞いてもはっきりわかるほど
ギヤノイズが低くなって行くのは見事なものでした。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

次はシリンダーとピストンを組み付けるのですが、この個体では
ピストンの先端側に画像のようなバリが生じていました。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

当然このままでは使えませんので、デザインナイフでバリを丁寧に取り除きます。
また、このバリだけでなく、ピストン全体をチェックして、目立つパーティングライン等を
キレイに削ぎ落として、動作不良の要因を極力排除していました。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)
Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

バリの整形が終わったら、必要な箇所に適量のグリスを塗布します。
前出のギヤグリスとは異なる種類のグリスであることがわかりますね。
また、画像が無くて申し訳ありませんが、ピストン下面のラックギヤにも
この白いグリスを塗布しています。
先の工程でセクターギヤにギヤグリスを塗らなかったのは、
シリンダー内部に異なるグリスが入らないようにするためだったのですね。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

シリンダーヘッドとシリンダーの組付けに際し、シールテープを巻き付けて
機密を高めるチューニング方法が一般的に紹介されていますが、
もともとしっかり機密がとれているものに関しては、必ずしも行う必要はありません。
今回取り上げたZB26はこの部分がしっかり作られていたので、
シーリング作業は行わず、このまま使うというのが担当チューナーの判断でした。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

シリンダーヘッドから突き出たノズルに、平筆でグリスを塗りつけます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

シリンダー内部には指を使って丁寧に、同じグリスを塗布します。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

メカボックス内側、タペットプレートをはめ込むレールの内部にも
シリンダーまわりと同じ白いグリスを充填しておきます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

そのタペットプレートは、前面をサンダーで削って平面を出しています。
こうすることで、ノズルが正確に動作するようになるわけですね。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

スイッチ部分には接点グリスを塗布しています。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

ここでようやく、主要パーツをメカボックスに組み付けます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

メカボックスを閉じる前に、SBD(ショットキーバリアダイオード)を装着。
スプリングはBATON airsoft製の電動ガン様スプリング90を使用しています。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

調整を終えたメカボックスを、ZB26のグリップフレームに組み付けました。
取材しながらでも、ここまで1時間はかかっていない感じでしょうか。
手前味噌になりますが、弊社チューナーの手際の良さには驚かされます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

メカボックスの調整が完了したところで、バレルの加工に移ります。
MYTH製のZB26は、インナーバレルが不必要に長いので、
旋盤加工で適切なサイズにカットします。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

切断面に生じるバリも、旋盤で丁寧に切削加工しています。
ノコギリやパイプカッターでは、この精度は得られませんからね。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

微妙にブレた画像で大変申し訳ありません(汗)
最終的に手作業での仕上げを施し、切断面はご覧の状態になりました。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

次に、ホップパッキンを取り付ける側の、いわゆるホップ窓の開口部が、
左右均等になるよう、リューターで削って調整しています。
これをやるとやらないとでは、弾道の直進性が大きく変わって来ます。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

加工が完了したら、ブレーキクリーナーでバレル内部を洗浄します。
この後さらに、クリーニングロッドとウエスで入念に清掃しました。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

MYTH製ZB26固有の調整なのですが、チェンバー上面の、ホップレバーを
はめこむ部分の内側に成型時のバリがあるので、これをリューターで削っています。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

パッキンは、BATON airsoft製ソフト面ホップアップパッキンセットに交換。
上から給弾するZB26に合わせて、パッキンの縁をハサミでわずかにカットし、
スムーズな給弾を実現しています。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

どの程度カットしているかがおわかりいただけますでしょうか。
また、組付け直前で、パッキンの外周にグリスが塗られている状態です。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

必要な加工を施し、組み立てられたZB26のチェンバーユニットです。
ここではご紹介出来ない加工も含め、固有の問題点はすべて解決されています。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)


すべての調整を終え、元通り組み立てた後、まずは初速をチェックします。
0.2gBB弾でのノンホップ状態で、今回は92~93m/s程度が出ていました。
この段階で初速に過不足があった場合は、メカボックスを開けての調整に戻ります。

Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)

最後は、トリガートークさんの40m屋内レンジでの弾道チェックです。
適正ホップを出した状態で40m先のターゲットを撃ち、弾道の直進性と
集弾性を確認するのですが、このZB26は弾道が伸び始めたところで
40m先に下げられたフライパンをカンカンとヒットしていました。

500連の多弾マガジンを標準装備するZB26に、あの精度で弾幕をはられたら、
ちょっと身動きとれなくなるだろうと思いましたね~。
そして、調整次第で優れた実力を発揮するMYTH製ZB26の潜在能力の高さに、
改めて驚かされた次第でございました。

以上で、Gunsmithバトンによる調整&チューンのレポート第1回目は終了です。
私としても初めての企画だったので、探り探りといった形になしましたが、
次回以降も、当ブログ読者の皆様のお役に立てるような記事作りを
心がけて参りますので、お付き合いのほどを何卒お願いいたしますです。

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Gunsmithバトンの基本調整内容レポート その1(ZB26)
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エアソフトガン&パーツブランド BATON airsoft 、海外製エアソフトガンショップ Gunsmith BATON 、日本最大のシューティングレンジ BATON Range 、APSカップ競技銃チューニングショップ 蔵前工房舎 、オフロードバイクショップ『 Bivouac所沢 』 、電動オフロードバイク『 CAOFEN
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