調整内容レポート その7(ICS M1ガーランド 流速SP:後編)
Gnnsmithバトン基本調整内容レポート、ICS M1ガーランド 流速SPの後編をお届けいたします。(前編はこちら、中編はこちら)

流速SPとして製作するため、全長610mmのインナーバレルは使用せず、BATON airsoft 流速ルーズバレル6.10 R2 電動ガン用の250mmの物を用意します。

外径8.5mmのインナーバレルに対し、ICSガーランドのアウターバレルは内径が太く作られており、マズル付近まで伸びたインナーバレルの先端部分を、カラー(スペーサー)で押さえることで、射撃時のブレを防止しています。

長さ250mmの流速ルーズバレルを使用した場合、発射されたBB弾がアウターバレル先端内側のカラーに接触する可能性があるので(※)、チャンバー側から叩き出して、カラーを取り外しました。
※これはショートインナーバレルにしたときに起こりうる現象ですが、弾道がぶれているのではありません、射手の手ぶれが原因です。トリガーを引いた後、銃本体がブレることによって、インナーバレルから射出された後のBB弾が、フラッシュハイダーの内径が狭いところなどの内壁に当たり弾道が乱れます(6mmぎりぎりの内径であるKACハイダーなどで顕著です。フラッシュハイダーが広くなっているM4ノーマルのバードケージタイプなどでは起こりません)。
インナーバレルが長い(アウターバレルぎりぎりまである)場合は、手ぶれはそのまま着弾のズレになるだけですが、ショートインナーバレルで、BB弾がいったんインナーバレルから出た後、ブレた内壁に当たってしまうと極端に乱れた弾道になります。
対策としてはこのM1ガーランド 流速SPのように狭められた部分を外したり、フラッシュハイダーの内径を拡大したりします。特にサバゲでは、動きながら撃つこと、動体のターゲットに対して銃を振りながら連射することが多いので、Gunsmithバトンでは、お客様の様々な使い方に対しても不具合が起きないように対策しています。
ちなみに、精度を競うシューティングマッチでは、トリガーを引いた後も的を狙い続け、BB弾が射出されるまで銃本体がブレないことを心がけることが大切です。特に、ロングバレルで、トリガーを引いた後、BB弾がインナーバレルを通過する時間が長い、APS CUP ライフルクラスでは(通常0.28g以上の重量弾を使うので、バレルが長いうえに弾速も遅いわけであり、BB弾のインナーバレル滞在時間はかなり長くなります ※)、トリガープル後の銃本体のブレは着弾精度への影響が顕著です。
ターゲットが大きくて距離が近いスピード系マッチと違い、精密射撃のAPS CUP ライフルクラスでは10mで直径2cmの10点を立射で狙わなければならないので、トリガープル後、BB弾がインナーバレルから射出される前、" ゼロコンマ数秒以内に起こる mm以下の手ぶれ " であっても、点数が大きく変わるのです。
※ 同じパワー、0.9Jで比べるとすると、APS-2はインナーバレル長595mmで0.29gを使用なら初速79m/secで、インナーバレル滞在時間は【0.0075秒】。M4CQBのインナーバレル長263mmで0.20gを使用なら初速95m/secで、インナーバレル滞在時間は【0.0028秒】。よって、同じジュールであっても、APS-2とM4CQBで発射後のBB弾のインナーバレル滞在時間は2.68倍も違います。

流速ルーズバレルを使用するに当たり、アウターバレル内側でのブレを防止するため、樹脂製のパイプを加工して、スペーサーを製作します。
まずは8.5mmのドリルでパイプの内径を拡げ、流速ルーズバレルにピッタリはまるよう調整します。


上記の樹脂パイプをアウターバレルを挿し込んだ状態で、今度は外周を削り、ICSガーランドのアウターバレルの内径とピッタリ合うように作ります。


上記の工程を経て、流速ルーズバレルの先端と後半部分の2箇所に、樹脂製スペーサーを設けました。

スペーサーを着けたインナーバレルをアウターバレルに挿入する際はスルスルと入るのですが、その状態で逆さにしてもインナーバレルが落ちて来ないという、まさにドンピシャのサイズに造られてるのには、手前味噌ながら驚きました。

インナーバレルのブレ止め加工が終了したところで、チャンバーパッキンを交換します。流速ルーズバレルとの組み合わせで最大のパフォーマンスを発揮する、BATON airsoft 流速 面ホップアップパッキンセットを用意しました。

チャンバーはほとんどのICS製品に採用されている、バレル同軸型のホップ調整ダイヤルを備えた樹脂製のもの。ダイヤルの前方に+と-のモールドが彫られているのは嬉しい配慮ですね。

工程を端折りましたが、シールテープを巻きつけた上にBATON airsoft 流速 面ホップアップパッキンセットを装着したインナーバレルをチャンバーにセットしました。

こちらはICSガーランドのアウターバレルの基部です。がっしりとした肉厚のダイキャスト製で、実に頼もしい印象ですね。

その頑強なアウターバレルにチャンバーとインナーバレルを挿入し、組み上げたメカボックスに組み付けました。その結合部分がまた、これでもかというほどしっかり固定されていて、剛性と集弾性の高さを期待させてくれます。

メカボックスにレシーバーの外装パーツを組み付けました。この状態でバレル先端を握って振り回しても、ビクともしないであろう剛性が確保されています。

上の状態で初速をチェックします。流速SPとしてのチューンを施しているため、0.25gのBB弾を使用して計測した結果、初速は81m/s前後で安定。ストックを組み付けて、トリガートーク様の40mインドアシューティングレンジにて実射テストを行いました。その模様を以下の動画でご覧くださいませ。
過去記事で行った弾道チェックはすべて0.2gのBB弾で撃っていますが、このICS製M1ガーランド流速SPは0.25g弾(※)を30m先まで素直に伸びる弾道で飛ばし、フライパンを連続ヒットしています。弾が重いので、ヒット時の音が今までの動画より大きく聞こえますよね。
※M1ガーランド 流速SPに限らず、流速チューンを施工した銃は当店では0.25gの重量弾を使うことを推奨していますので、弾速・弾道チェックはBATONバイオBB 0.25gで行っています。特に流速チューンは重量弾になるほどジュール数が上がる傾向にあるので、0.20gで初速をチェックするのではなく、実際に使う0.25gにおいても絶対に規制値をオーバーしないよう(もちろん、ホップ調整を変えてそのチューンで出る最高初速値で)慎重にチェックしています。
日本の初速規制値下でも重量弾に適切なホップ回転を与えることで、ロングレンジで有利な流速チューン。その実際の効果のほどがおわかりいただける動画になったかと思います。
贅沢な木製ストックをまとった、第二次大戦時の主力セミオートライフルを忠実に再現したICS M1ガーランドに、弊社オリジナルの流速チューンを施したコンプリートカスタム、ICS M1ガーランド 流速SP。二次大戦時装備でサバゲを楽しまれている方も、そうでない方にも、この性能を是非ともお試しいただきたいと思います。
【調整済み・保証付】ICS M1ガーランド 流速SP


流速SPとして製作するため、全長610mmのインナーバレルは使用せず、BATON airsoft 流速ルーズバレル6.10 R2 電動ガン用の250mmの物を用意します。

外径8.5mmのインナーバレルに対し、ICSガーランドのアウターバレルは内径が太く作られており、マズル付近まで伸びたインナーバレルの先端部分を、カラー(スペーサー)で押さえることで、射撃時のブレを防止しています。

長さ250mmの流速ルーズバレルを使用した場合、発射されたBB弾がアウターバレル先端内側のカラーに接触する可能性があるので(※)、チャンバー側から叩き出して、カラーを取り外しました。
※これはショートインナーバレルにしたときに起こりうる現象ですが、弾道がぶれているのではありません、射手の手ぶれが原因です。トリガーを引いた後、銃本体がブレることによって、インナーバレルから射出された後のBB弾が、フラッシュハイダーの内径が狭いところなどの内壁に当たり弾道が乱れます(6mmぎりぎりの内径であるKACハイダーなどで顕著です。フラッシュハイダーが広くなっているM4ノーマルのバードケージタイプなどでは起こりません)。
インナーバレルが長い(アウターバレルぎりぎりまである)場合は、手ぶれはそのまま着弾のズレになるだけですが、ショートインナーバレルで、BB弾がいったんインナーバレルから出た後、ブレた内壁に当たってしまうと極端に乱れた弾道になります。
対策としてはこのM1ガーランド 流速SPのように狭められた部分を外したり、フラッシュハイダーの内径を拡大したりします。特にサバゲでは、動きながら撃つこと、動体のターゲットに対して銃を振りながら連射することが多いので、Gunsmithバトンでは、お客様の様々な使い方に対しても不具合が起きないように対策しています。
ちなみに、精度を競うシューティングマッチでは、トリガーを引いた後も的を狙い続け、BB弾が射出されるまで銃本体がブレないことを心がけることが大切です。特に、ロングバレルで、トリガーを引いた後、BB弾がインナーバレルを通過する時間が長い、APS CUP ライフルクラスでは(通常0.28g以上の重量弾を使うので、バレルが長いうえに弾速も遅いわけであり、BB弾のインナーバレル滞在時間はかなり長くなります ※)、トリガープル後の銃本体のブレは着弾精度への影響が顕著です。
ターゲットが大きくて距離が近いスピード系マッチと違い、精密射撃のAPS CUP ライフルクラスでは10mで直径2cmの10点を立射で狙わなければならないので、トリガープル後、BB弾がインナーバレルから射出される前、" ゼロコンマ数秒以内に起こる mm以下の手ぶれ " であっても、点数が大きく変わるのです。
※ 同じパワー、0.9Jで比べるとすると、APS-2はインナーバレル長595mmで0.29gを使用なら初速79m/secで、インナーバレル滞在時間は【0.0075秒】。M4CQBのインナーバレル長263mmで0.20gを使用なら初速95m/secで、インナーバレル滞在時間は【0.0028秒】。よって、同じジュールであっても、APS-2とM4CQBで発射後のBB弾のインナーバレル滞在時間は2.68倍も違います。

流速ルーズバレルを使用するに当たり、アウターバレル内側でのブレを防止するため、樹脂製のパイプを加工して、スペーサーを製作します。
まずは8.5mmのドリルでパイプの内径を拡げ、流速ルーズバレルにピッタリはまるよう調整します。


上記の樹脂パイプをアウターバレルを挿し込んだ状態で、今度は外周を削り、ICSガーランドのアウターバレルの内径とピッタリ合うように作ります。


上記の工程を経て、流速ルーズバレルの先端と後半部分の2箇所に、樹脂製スペーサーを設けました。

スペーサーを着けたインナーバレルをアウターバレルに挿入する際はスルスルと入るのですが、その状態で逆さにしてもインナーバレルが落ちて来ないという、まさにドンピシャのサイズに造られてるのには、手前味噌ながら驚きました。

インナーバレルのブレ止め加工が終了したところで、チャンバーパッキンを交換します。流速ルーズバレルとの組み合わせで最大のパフォーマンスを発揮する、BATON airsoft 流速 面ホップアップパッキンセットを用意しました。

チャンバーはほとんどのICS製品に採用されている、バレル同軸型のホップ調整ダイヤルを備えた樹脂製のもの。ダイヤルの前方に+と-のモールドが彫られているのは嬉しい配慮ですね。

工程を端折りましたが、シールテープを巻きつけた上にBATON airsoft 流速 面ホップアップパッキンセットを装着したインナーバレルをチャンバーにセットしました。

こちらはICSガーランドのアウターバレルの基部です。がっしりとした肉厚のダイキャスト製で、実に頼もしい印象ですね。

その頑強なアウターバレルにチャンバーとインナーバレルを挿入し、組み上げたメカボックスに組み付けました。その結合部分がまた、これでもかというほどしっかり固定されていて、剛性と集弾性の高さを期待させてくれます。

メカボックスにレシーバーの外装パーツを組み付けました。この状態でバレル先端を握って振り回しても、ビクともしないであろう剛性が確保されています。

上の状態で初速をチェックします。流速SPとしてのチューンを施しているため、0.25gのBB弾を使用して計測した結果、初速は81m/s前後で安定。ストックを組み付けて、トリガートーク様の40mインドアシューティングレンジにて実射テストを行いました。その模様を以下の動画でご覧くださいませ。
過去記事で行った弾道チェックはすべて0.2gのBB弾で撃っていますが、このICS製M1ガーランド流速SPは0.25g弾(※)を30m先まで素直に伸びる弾道で飛ばし、フライパンを連続ヒットしています。弾が重いので、ヒット時の音が今までの動画より大きく聞こえますよね。
※M1ガーランド 流速SPに限らず、流速チューンを施工した銃は当店では0.25gの重量弾を使うことを推奨していますので、弾速・弾道チェックはBATONバイオBB 0.25gで行っています。特に流速チューンは重量弾になるほどジュール数が上がる傾向にあるので、0.20gで初速をチェックするのではなく、実際に使う0.25gにおいても絶対に規制値をオーバーしないよう(もちろん、ホップ調整を変えてそのチューンで出る最高初速値で)慎重にチェックしています。
日本の初速規制値下でも重量弾に適切なホップ回転を与えることで、ロングレンジで有利な流速チューン。その実際の効果のほどがおわかりいただける動画になったかと思います。
贅沢な木製ストックをまとった、第二次大戦時の主力セミオートライフルを忠実に再現したICS M1ガーランドに、弊社オリジナルの流速チューンを施したコンプリートカスタム、ICS M1ガーランド 流速SP。二次大戦時装備でサバゲを楽しまれている方も、そうでない方にも、この性能を是非ともお試しいただきたいと思います。
【調整済み・保証付】ICS M1ガーランド 流速SP
