自分の身を守れるのは自分だけ
モンゴルツーリング最終日は非常にいい天気で気持ちよく走りはじめることが出来ました。
例によって、この日の走行距離ははっきりしないのですが、まあ、200km~300kmぐらいらしく、最終日でウランバートルに着いたらホテルですから、遅くなっても特に問題はなく気楽に走ることが出来ます。
「これで終わってしまうのか」という寂寥感とともに、「どうやら無事に帰れそう」という安心感もあり、みんな快調に走り続けていました。
…が、「好事魔多し」というか、「フラグ立った」というべきか、順調に行っていた最後の最後、大クラッシュでけが人が出てしまいました。
※この写真はクラッシュ時の写真ではありません。クラッシュ時は大騒ぎで写真を撮ることも思いつきませんでした…
かなり開けた地形で、どうやら川に沿って走っている道でした。基本的にストレートで、街が近くなってきたせいか、ピストもしっかりついていたので、わりと安心してスピードが高めになっていて、だいたい70~80km/hぐらいで巡航していたときです。4番目を走っていた自分は前方で砂煙があがったのを見ました。慌てて急ブレーキ、この砂の上がり方は間違いなくクラッシュです。
ゆっくり近づいていくと、ガイドさんがうずくまり、バイクが見えません。周囲を見回したら、ガイドさんのバイクはガイドさんから10mほど離れたところに転がっていました。松下さんに聞くと、ガイドさんは手前の溝にフロントがひっかかり、前転してふっとんだとのこと。ピストがあるとはいえ、オフロードであり、横から水が流れたりしたクラックや溝はあちこちにあるのです。そういうときは減速して迂回するのが基本であり、それが間に合わないときはアクセルを開けてフロント荷重を抜いて飛び越えて対処します。慌ててブレーキしたまま突っ込んでしまうと、フロントに荷重が移り、フロントタイヤがひっかかると前転してしまいます。もちろん、ガイドさんも分かってはいたはずですし、これまできちんと走れていたんですが、溝を見落として慌ててブレーキングしてしまったのだと推測されました。
ガイドさんは意識はしっかりしていて歩くこともできましたが、唇を切って結構出血していて痛がっていました。上の写真のようにガイドさんはシールドが付いているとはいえジェットヘルなので顔をぶつけてしまったのです。
余談ですが、もう20年以上も昔、初めての海外ツーリングでオーストラリアを走った時、ソロツーリングだったのですが、途中で知り合った、とある日本人ライダーと二人で一緒に走ったことがありました。彼は自分の前を走っていたのですが、オフロードで120km/hほどから前転しました(彼も自分も650ccのビッグオフに乗っていました)。直後を走っていたので、バイクがリヤタイヤを真上にして数mも飛び上がるのを見てしまいました…
事故の様子を詳細に書くのは憚れるのですが、そのときの彼もジェットヘルメットで、前歯4本を折り、上唇が鼻の下まで切れて歯茎がむき出し、まぶたは腫れ上がりほとんど目が開かず、顔面血だらけ、片手骨折、しばらく意識がなくなりました。周囲数十kmは誰もいないアウトバック(内陸部)の荒野でしたが、幸いにして数十分でクルマが通りかかり、近くの集落まで(といっても、そこから1時間ぐらいはかかりました)運んでもらいました。その集落には医者はいなかったので、フライングドクター(セスナ)を呼んで、彼は、そこからさらに数百km離れた都市の病院に運ばれていきました。
このクラッシュを目の前で見て以来、自分はバイクに乗るときは原付きでもなんでも、絶対にフルフェイスヘルメット着用。どんなに近場であっても真夏でも、最低限、長袖長ズボン。そして可能な限りのプロテクションを身に付けると決めています。事故は本当に怖いです。少しでもケガの可能性を減らせることならなんでもします。自分の身を守れるのは自分しかいません。
ガイドさんは四肢の骨折はなかったので(後日、聞いたら、あばら骨が3本折れていたそうです)、ケガの手当てをしてからそのまま走り続けました。
実はここまでツアースタッフたちに、「今回のメンバーはみんなバイクが上手いですね」って言われていて、ガイドさんも結構がんばって走っていたようなんです。小栗さんをはじめ自分達はみんなで「別に速く走らなくていいから、安全な速度で走ってね」って何度もガイドさんに言ってはいたのですが、彼にとってはオーバーペースだったようでした(先頭を走るライダーが、一番、危険なのです)。
さすがにこれでガイドさんもペースダウン。このあとは安全運転で、モンゴルの道を楽しみ、全員、無事にウランバートルにたどり着きます。
例によって、この日の走行距離ははっきりしないのですが、まあ、200km~300kmぐらいらしく、最終日でウランバートルに着いたらホテルですから、遅くなっても特に問題はなく気楽に走ることが出来ます。
「これで終わってしまうのか」という寂寥感とともに、「どうやら無事に帰れそう」という安心感もあり、みんな快調に走り続けていました。
…が、「好事魔多し」というか、「フラグ立った」というべきか、順調に行っていた最後の最後、大クラッシュでけが人が出てしまいました。
クラッシュしてしまったのは、メンバーではなくガイドライダーさんでした…
※この写真はクラッシュ時の写真ではありません。クラッシュ時は大騒ぎで写真を撮ることも思いつきませんでした…
かなり開けた地形で、どうやら川に沿って走っている道でした。基本的にストレートで、街が近くなってきたせいか、ピストもしっかりついていたので、わりと安心してスピードが高めになっていて、だいたい70~80km/hぐらいで巡航していたときです。4番目を走っていた自分は前方で砂煙があがったのを見ました。慌てて急ブレーキ、この砂の上がり方は間違いなくクラッシュです。
ゆっくり近づいていくと、ガイドさんがうずくまり、バイクが見えません。周囲を見回したら、ガイドさんのバイクはガイドさんから10mほど離れたところに転がっていました。松下さんに聞くと、ガイドさんは手前の溝にフロントがひっかかり、前転してふっとんだとのこと。ピストがあるとはいえ、オフロードであり、横から水が流れたりしたクラックや溝はあちこちにあるのです。そういうときは減速して迂回するのが基本であり、それが間に合わないときはアクセルを開けてフロント荷重を抜いて飛び越えて対処します。慌ててブレーキしたまま突っ込んでしまうと、フロントに荷重が移り、フロントタイヤがひっかかると前転してしまいます。もちろん、ガイドさんも分かってはいたはずですし、これまできちんと走れていたんですが、溝を見落として慌ててブレーキングしてしまったのだと推測されました。
ガイドさんは意識はしっかりしていて歩くこともできましたが、唇を切って結構出血していて痛がっていました。上の写真のようにガイドさんはシールドが付いているとはいえジェットヘルなので顔をぶつけてしまったのです。
余談ですが、もう20年以上も昔、初めての海外ツーリングでオーストラリアを走った時、ソロツーリングだったのですが、途中で知り合った、とある日本人ライダーと二人で一緒に走ったことがありました。彼は自分の前を走っていたのですが、オフロードで120km/hほどから前転しました(彼も自分も650ccのビッグオフに乗っていました)。直後を走っていたので、バイクがリヤタイヤを真上にして数mも飛び上がるのを見てしまいました…
事故の様子を詳細に書くのは憚れるのですが、そのときの彼もジェットヘルメットで、前歯4本を折り、上唇が鼻の下まで切れて歯茎がむき出し、まぶたは腫れ上がりほとんど目が開かず、顔面血だらけ、片手骨折、しばらく意識がなくなりました。周囲数十kmは誰もいないアウトバック(内陸部)の荒野でしたが、幸いにして数十分でクルマが通りかかり、近くの集落まで(といっても、そこから1時間ぐらいはかかりました)運んでもらいました。その集落には医者はいなかったので、フライングドクター(セスナ)を呼んで、彼は、そこからさらに数百km離れた都市の病院に運ばれていきました。
このクラッシュを目の前で見て以来、自分はバイクに乗るときは原付きでもなんでも、絶対にフルフェイスヘルメット着用。どんなに近場であっても真夏でも、最低限、長袖長ズボン。そして可能な限りのプロテクションを身に付けると決めています。事故は本当に怖いです。少しでもケガの可能性を減らせることならなんでもします。自分の身を守れるのは自分しかいません。
ガイドさんは四肢の骨折はなかったので(後日、聞いたら、あばら骨が3本折れていたそうです)、ケガの手当てをしてからそのまま走り続けました。
実はここまでツアースタッフたちに、「今回のメンバーはみんなバイクが上手いですね」って言われていて、ガイドさんも結構がんばって走っていたようなんです。小栗さんをはじめ自分達はみんなで「別に速く走らなくていいから、安全な速度で走ってね」って何度もガイドさんに言ってはいたのですが、彼にとってはオーバーペースだったようでした(先頭を走るライダーが、一番、危険なのです)。
さすがにこれでガイドさんもペースダウン。このあとは安全運転で、モンゴルの道を楽しみ、全員、無事にウランバートルにたどり着きます。
長かったこの連載も次回がラストです!(^_-)-☆ …続く
この記事へのコメント
自分も絶対フルフェイス。原付だろうが、オフだろうがアメリカンだろうが、最低でもシステムメット。
サバゲも絶対フルフェイス。廻りのひとにも言うんだけど聞いてくれない。とくにニワカと特殊(笑)部隊コスプレのひと。雑誌の影響も大きいんだろうなー。ダサイんだって。
サバゲ舐めんな!
あれは自分が中学生のころだったので、規制以前の話ですが、M93R+エアタン15気圧直結フルパワーに至近距離で乱射され、前歯が欠けた痛い思い出が… 口の中のジャリって感触+血の味が忘れられません… ~_~;
いまはパワー規制があるから、だいぶ安全になりましたけど、それでも近くで当たりどころが悪いと歯が欠ける可能性もありますからね。前歯の補修は高いし、自己防衛するに越したことないですよね (^_^)a