【 APSカップ 】 APS-1 GM M97 分解レビュー 後編 【 + チューン 】
中編から続く
ここから APS-1 GM 機関部の分解に入りますが、先に APS-1 の弱点、トリガー位置対策を書いておきます。APS-1 はトリガーの位置が調整できますが、一部、手がとても大きな人を除いて、ほとんどの人がトリガーを最後部に調整してもまだ遠いはず…
そこでトリガーアジャスターの黒く塗った矢印部分を削ってしまいましょう (^_-)-☆
うちはフライス盤がありますから、フライスで削りましたが、気長に鉄やすりで削っても施工可能でしょう。
これで、3mm ほどトリガーを後ろにセットすることが出来ました。たかが 3mm ですが、人差し指の腹でトリガーを引けるか否か、この差が大きいのです。
では、シアー類を外していきます。シアーは 3 つに分かれていて、ピストン側から A → B → C という名称です。
ピストンを抑えるシアー A のピンには左右にスプリングがセットされていますが、左右でセット位置が違うので注意。上の写真はレシーバー左側です。
そして、こちらがレシーバー左側のスプリングセット位置ですので、取り付けが分からなくなったらご参照ください。
私の APS-1 は初速を 75 m/s → 93 m/s に蔵前工房舎で上げてもらったので、強化シアースプリングに交換、シアーピンもシロートピン(素人でも簡単に取り付けできるって意味での名称なのかな )に交換してもらいました。
初速が 70 m/s 台というのは、この個体が低いのではなくて、もともと、この年代の APS-1 GM は初速が低いのです。この低初速でも集弾性は良いのですが、APS カップハンドガンクラスは、6m → 10m まで距離の違う 3cm 角のターゲットを狙うシルエット競技があり、低初速だと狙点の変化が大きくなってしまいます…
ダットサイトなら狙点の変化が大きくてもなんとかなりますが、アイアンサイトでターゲットの上を狙うと、ターゲットが完全にフロントサイトの裏に隠れて見えなくなってしまうので、こうして初速を上げて弾道の変化を少なくしてもらったのです。
シアー A スプリングを飛ばさないように注意しながら外したら、シアー A ピンを抜きます。
トリガーベースを押している、トリガーベーススプリングを外します。このスプリングはやたら硬くて外しにくいので、曲げないように注意…
そう、このトリガーベーススプリングはやたら硬くて、明らかにトリガープルを重くしています。なので、カスタムスプリング等に交換して、軽くしたいところですが、ここで、前編を思い出してください
「不要ですけど、取っておいてください」と書いたグリップセーフティパーツのスプリングをトリガーベーススプリングと交換してしまいます。これでトリガープルがだいぶ軽くなりますよ (^_-)-☆
トリガーベーススプリングを外したら、グリップアダプターを固定しているピンを抜きます。
トリガーベースを固定しているピンの E リングを外してピンを外し、シアー A 、シアー B のピンも外します。
写真上から、シアー A 、シアー B 、シアーC + トリガーベース です。蔵前工房舎 クワタシャチョーの職人技でシアー C を加工していただき、素晴らしいトリガープルに仕上げてあります
これでシリンダーも抜けて分解完了です。上で初速調整したことを書きましたが、カスタムシリンダーは使わず、ノーマルシリンダーを開けていただきました。この ノーマルシリンダーの開け方も職人技 ですので、APS-1 のチューンを依頼するときに見せてもらうと楽しいですよ (^_-)-☆
こうして、内部は蔵前工房舎フルチューンで、APS-1 GM M97 は素晴らしい性能となり復活しました! さらに外装もカッコよくしたいので『 そめ Q 』で赤にカラーリング。
グリップは黒ですが、この写真のように、そめ Q ベースコートを下地に塗っておけば、きれいに発色します。
いきなりクライマックスというか、いきなり完璧仕様に仕上げました。さっそく、蔵前 APS 週末会で撃ってみて、オープンサイトでの挙銃に自分が慣れていないプレートはともかく、ブルズアイとシルエットは十分当たっていましたので、性能はもう文句なしです!
手間とお金をかけましたが、これから APS カップハンドガンクラス オープンサイト部門に参戦するにあたって、これで銃の心配はせずにテクニックだけを磨いていけばいいわけなので、集中して練習できます。
…さあ、こうして新しい銃が完成したので、今年のAPS カップ東京本大会が終わるまで、APS-1 は封印
来月の本大会はノーマルの APS-3 Ltd 2017 で フリーサイト部門(ダットサイト)に挑みます (`・ω・́)ゝ
PS.
APS-1 に変えるきっかけでもあった、APS-3 の 水溜まり問題ですが、蔵前工房舎では、APS-3 の保管時はこのようにコンプレストレバーを開放して、バレルを下向きにしておくことを推奨しています。
先週の蔵前 APS 週末会でも、参加者の一人が、「APS-3の弾道がおかしい」と言っていて、クワタシャチョーが分解してみたら、シリンダーにかなり水が溜まっていました… シリンダーの水が発射時にパッキン・バレルにまわってしまうので、弾道がおかしくなってしまうのも当然ですよね
APS-3 水溜まり対策としては、湿度が高いときはエアコンをかけて湿度を下げてから撃つこと、そして、上記写真のように保管時はシリンダーを開放して少しでも水を蒸発させること。そしてたまには蔵前工房舎でシリンダーを分解してもらって水抜きをすること、でしょう。
今の時期は東京本大会前で練習したくてたまらないかと思いますが、梅雨の時期でもあるので、APS-3 ユーザーのみなさんは気を付けたほうがいいかと… (;^_^A
ここから APS-1 GM 機関部の分解に入りますが、先に APS-1 の弱点、トリガー位置対策を書いておきます。APS-1 はトリガーの位置が調整できますが、一部、手がとても大きな人を除いて、ほとんどの人がトリガーを最後部に調整してもまだ遠いはず…
そこでトリガーアジャスターの黒く塗った矢印部分を削ってしまいましょう (^_-)-☆
うちはフライス盤がありますから、フライスで削りましたが、気長に鉄やすりで削っても施工可能でしょう。
これで、3mm ほどトリガーを後ろにセットすることが出来ました。たかが 3mm ですが、人差し指の腹でトリガーを引けるか否か、この差が大きいのです。
では、シアー類を外していきます。シアーは 3 つに分かれていて、ピストン側から A → B → C という名称です。
ピストンを抑えるシアー A のピンには左右にスプリングがセットされていますが、左右でセット位置が違うので注意。上の写真はレシーバー左側です。
そして、こちらがレシーバー左側のスプリングセット位置ですので、取り付けが分からなくなったらご参照ください。
私の APS-1 は初速を 75 m/s → 93 m/s に蔵前工房舎で上げてもらったので、強化シアースプリングに交換、シアーピンもシロートピン(素人でも簡単に取り付けできるって意味での名称なのかな )に交換してもらいました。
初速が 70 m/s 台というのは、この個体が低いのではなくて、もともと、この年代の APS-1 GM は初速が低いのです。この低初速でも集弾性は良いのですが、APS カップハンドガンクラスは、6m → 10m まで距離の違う 3cm 角のターゲットを狙うシルエット競技があり、低初速だと狙点の変化が大きくなってしまいます…
ダットサイトなら狙点の変化が大きくてもなんとかなりますが、アイアンサイトでターゲットの上を狙うと、ターゲットが完全にフロントサイトの裏に隠れて見えなくなってしまうので、こうして初速を上げて弾道の変化を少なくしてもらったのです。
シアー A スプリングを飛ばさないように注意しながら外したら、シアー A ピンを抜きます。
トリガーベースを押している、トリガーベーススプリングを外します。このスプリングはやたら硬くて外しにくいので、曲げないように注意…
そう、このトリガーベーススプリングはやたら硬くて、明らかにトリガープルを重くしています。なので、カスタムスプリング等に交換して、軽くしたいところですが、ここで、前編を思い出してください
「不要ですけど、取っておいてください」と書いたグリップセーフティパーツのスプリングをトリガーベーススプリングと交換してしまいます。これでトリガープルがだいぶ軽くなりますよ (^_-)-☆
トリガーベーススプリングを外したら、グリップアダプターを固定しているピンを抜きます。
グリップアダプターを下に引き抜きます。
トリガーベースを固定しているピンの E リングを外してピンを外し、シアー A 、シアー B のピンも外します。
写真上から、シアー A 、シアー B 、シアーC + トリガーベース です。蔵前工房舎 クワタシャチョーの職人技でシアー C を加工していただき、素晴らしいトリガープルに仕上げてあります
これでシリンダーも抜けて分解完了です。上で初速調整したことを書きましたが、カスタムシリンダーは使わず、ノーマルシリンダーを開けていただきました。この ノーマルシリンダーの開け方も職人技 ですので、APS-1 のチューンを依頼するときに見せてもらうと楽しいですよ (^_-)-☆
こうして、内部は蔵前工房舎フルチューンで、APS-1 GM M97 は素晴らしい性能となり復活しました! さらに外装もカッコよくしたいので『 そめ Q 』で赤にカラーリング。
グリップは黒ですが、この写真のように、そめ Q ベースコートを下地に塗っておけば、きれいに発色します。
MARUZEN APS-1 GM M97 BATON special 完成!
いきなりクライマックスというか、いきなり完璧仕様に仕上げました。さっそく、蔵前 APS 週末会で撃ってみて、オープンサイトでの挙銃に自分が慣れていないプレートはともかく、ブルズアイとシルエットは十分当たっていましたので、性能はもう文句なしです!
手間とお金をかけましたが、これから APS カップハンドガンクラス オープンサイト部門に参戦するにあたって、これで銃の心配はせずにテクニックだけを磨いていけばいいわけなので、集中して練習できます。
…さあ、こうして新しい銃が完成したので、今年のAPS カップ東京本大会が終わるまで、APS-1 は封印
来月の本大会はノーマルの APS-3 Ltd 2017 で フリーサイト部門(ダットサイト)に挑みます (`・ω・́)ゝ
PS.
APS-1 に変えるきっかけでもあった、APS-3 の 水溜まり問題ですが、蔵前工房舎では、APS-3 の保管時はこのようにコンプレストレバーを開放して、バレルを下向きにしておくことを推奨しています。
先週の蔵前 APS 週末会でも、参加者の一人が、「APS-3の弾道がおかしい」と言っていて、クワタシャチョーが分解してみたら、シリンダーにかなり水が溜まっていました… シリンダーの水が発射時にパッキン・バレルにまわってしまうので、弾道がおかしくなってしまうのも当然ですよね
APS-3 水溜まり対策としては、湿度が高いときはエアコンをかけて湿度を下げてから撃つこと、そして、上記写真のように保管時はシリンダーを開放して少しでも水を蒸発させること。そしてたまには蔵前工房舎でシリンダーを分解してもらって水抜きをすること、でしょう。
今の時期は東京本大会前で練習したくてたまらないかと思いますが、梅雨の時期でもあるので、APS-3 ユーザーのみなさんは気を付けたほうがいいかと… (;^_^A